タブレット学習の市場が大きく拡大しています。スマイルゼミや進研ゼミ小学講座などはよく使われていると思いますが、学校内でも取り入れられ、今は小学1年生から使いこなせることができる時代になりました。今の子供たちは、IDやパスワードまで、自分で起動させ動かすことができます。
それと同時にタブレット学習ってどうなんでしょうか?、という質問をよくいただくようになったので、その点を見解として述べたいと思います。
筆者は、タブレット学習はあくまで「サブ」、「補助」レベルとしては超優秀、
しかしこれを「メイン」にするのはおすすめできないという見解です。
タブレット学習が強く、人間の指導者が弱いところがいくつかあります。
そこがタブレット学習のメリットになります。
メリット① 人間が指導する上では、どうしても見逃しやすいポイントを強制的に改善できる(漢字の書き順や計算手順の修正など手順が決まっているもの)
たとえば漢字アプリは、書き順まで再指導してくれます。間違った書き順は、自然と染み付いてしまうことは誰もが知っていますが、先生たちも一画一画まで確認するには限界があります。しかし、タブレット学習は、これを見逃しません。超優秀です。
メリット② 生徒の理解度をデータとして集積、その上でカリキュラムを自動的に方向づけられる
意外と個別指導であっても、実は生徒一人一人の細かい理解度は判断しきれていません。5教科となるとなおさらです。そのために、月例テストや模試などがあります。しかし、これも一定の期間が空きますので、素早い発見には限界があります。
また各テスト結果を先生たちが完全に見極めるのは時間的に難しく、加えて生徒一人一人に合わせた個別対応を行うとなればパンクします。
タブレット学習はここでも容赦はしません。単元ごとの正答は数値になっており、多くは合否判定されます。復習内容ははっきり提示されるので、効率的な復習を提案してくれるケースが多いはずです。
メリット③ イメージには強い
口頭が中心になりやすい授業形式においては、どうしても言葉が優先します。写真や動画といったイメージがないまま、話だけを聞いていると、分かりにくくなります。タブレット学習の多くは効果的にイメージを提供します。この点は単元によっては、子供たちの理解を大きく促進することがあると言えます。
さて、それではタブレット学習はどうして「メイン」になってはいけないのかという点について私見を述べたいと思います。
最大の問題は、タブレット学習に入っているツールは、すべて一定の枠組みやルールを設定しないとシステムとして成立しないことにあります。縦横無尽に情報のすべてを提供するわけではありません。
つまり、学校のカリキュラムだったり、出やすい問題パターンだったり、ともかく一定の順序や内容の方向づけがあり、そこからの「脱線」を許してはくれません。
それの何がいけないのかと思われるかもしれませんが、本来学びというものは「脱線」を伴って、興味や関心が広がるようになっています。
たとえば、辞書や図鑑はなぜ必要なのでしょうか。ネット検索で事足りる時代ですが、それでもなお辞書や図鑑を活用できる力は必要です。そもそも情報の量や質は様々です、あらゆる観点で学ぶ力は必ず求められます。
それは紙が良いのかタブレットが良いのかということではなく、そもそも学びは「多様な方法」で吸収できることが大切ということです。
本、雑誌、新聞、インタビュー、統計、辞書、辞典、ディスカッションなど、ありとあらゆる方向から情報を吸収するには、タブレット学習ですべてを得ることは不可能だということを子供たちには認識してもらう必要があります。ただタブレット学習への依存をしてしまった後では、大きな誤解が生じる可能性があります。
仮に「youtubeで検索すれば何でもある」といえば、ある意味その通りですが、それでもなおyoutubeという「枠組み」があります。世界のすべてがyoutubeで理解できているように錯覚してしまうかもしれませんが、そんなことはありえません。
こうした観点から、少なくともタブレット学習に膨大な時間を費やす生活を送るのは、かなり危険です。あらゆる体験から学ぶことの一つとしてタブレット学習がある、ということを理解してもらいつつ、そのメリットを活かしてほしいと思います。
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