なぜうちの子は勉強しないんだろう、おそらく多くの保護者がそのように感じることがあるかもしれません。このコンテンツは、保護者向けです。
保護者の人生を振りかえっていただいても、みなさんが真剣に取り組んだことの背景には誰かの「期待」があったでしょうか。それは親の期待とは限らず、周囲の先生やコーチ、先輩など、みなさんが「信頼を置く」「尊敬ができる」人物だったのではないでしょうか。
● 周囲からの期待で、生徒のモチベーションが上がる条件
さて、ここに2つの方程式があります。
① 誰かの期待+強い信頼= モチベーションUP
② 誰かの期待+敵対心や嫌悪感= モチベーションDown
おそらく難しいのは、この①と②の違いを区別することです。保護者の方の子供への声かけが、うまくいかない時期は、②の状態になっていることが多く、お子様が「反対」している状況があると思われます。
期待感は、こういう時に心理的にやる気を奪ってしまうことがあります。子供にとっては、その期待感が「マイナス」になるためです。
つまり、モチベーションというものは、「期待感」と「信頼」という2つの相互性(架け橋)によってはじめて成り立っているといえます。
● 周囲からの期待がなくなっていく理由
基本的に年齢を重ねていくほど、周囲からの期待感というものは薄れる傾向にあるかもしれません。実際のところ、それを人は一般に「自分の限界」と考えることがありますが、実際にはそうではなく、ハードルが上がったことに原因があります。
社会のなかで生きている限り、何らかのハードルがあります。学校の成績もその一つです。服装から言動に至るまで様々なマナーやルール、あるべき姿などがあります。
多くの親は、お子様がはじめて言葉を発したとき、大いに喜んだと思います。そして、その期待感が膨れ上がり、とても褒めたのではないでしょうか。その期待感の理由は、ハードルが低いからです。しかし、その数年後には、我が子の言葉遣いに叱ることが多くなっていることと思います。
したがって生徒たちが成長していないのではなく、周囲の人がハードルを一方的に上げることによって、この期待感が薄れる現象が生じていると言えます。
100点を取るのが当たり前、と一度決めるとハードルが上がります。このことは、多くの場合、周囲との「比較」によって出来上がります。保護者の方自身の人生観や価値観、また周囲の知人や友人などとの比較、兄弟姉妹の比較など、あらゆる比較によって、この期待感のハードルは上がったり下がったりを繰り返しています。
● 期待を背負いすぎると起こってしまう「嘘」の連鎖
子供は育っていくと、当たり前のように「嘘」をつくようになります。勉強では、親から怒られないように、答えを写すようになることも自然に増えてきます。これらは、「期待感の防衛」とも言えるでしょう。つまり、周囲からの「期待」を受け続けることができるように自分を守っている行動と言えます。
これらの現象は、自分が親のハードルを乗り越える力がない、あるいはそのハードルを乗り越える自信がない、といったことによって始まり、やがてその行動は「習慣化」していくようになります。自信喪失の裏で、嘘の連鎖は止まらなくなります。
期待するのがよくないのではないか、そう思われるかもしれません。しかし実際には、最初の方程式によれば、この時点では、生徒からの「信頼」というベクトルは非常に弱まっています。むしろ、恐怖や不安といった心情に支配されています。
ほとんどの場合、コミュニケーション不足によって生じています。あるいは生徒の心情を聞くことよりも、周囲からの「指示」や「命令」に近い言葉が多いことが原因になります。
● 信頼を得る期待感を伝える行動とは?
信頼を得るための「期待感」を伝えるのはどうすればいいのでしょうか?
① 根拠なく信じる姿勢を維持する
一番大変なことですが、目の前の生徒の姿に失望するような出来事は多くあるかもしれません。嘘をついたり、ごまかしたりといったことです。しかし、ハードルを下げることは本人にはできないことです。周囲にいる誰もがハードルを上げすぎていることによって、結果的に期待感は得られず、生徒のやる気は失われていきます。したがって、まずは信頼を得ようとするなら、ハードルをいったん下げ、一緒に上がっていくというスタンスを常に示し続ける必要があります。
みなさんの表情・視線・声色・態度から、信じているかどうかについて、生徒からチェックをされています。その審査をパスしない限り、心は開かれません。
② 生徒が抱える問題や課題を、「一緒に」解決する姿勢をもつ
信頼を得られない大きな原因は、叱ることではなく、生徒の抱える問題について「自己責任」にしてしまうことにあります。「ちゃんとしなさい」「今やらないと後で困るよ」「宿題を自分でやるぐらいのことは当たり前でしょ」、こういった正論は事実としては誤ってはいないのですが、モチベーションを殺す力があります。
これらの言動に共通しているのは、この問題は「あなたのこと」であり、私のことではないというメッセージであるということです。
山登りに苦戦している友人がいるとして、あなたはどのように声をかけるか、それとも一緒に登るでしょうか?実際あなたがその山を富士山のように高いと感じているとすれば、どちらに信頼を置くでしょうか?
「ちゃんと山を登りきりなさい」「山を登るなんて当たり前でしょ」
そのように声かけする人をあなたはどう評価するでしょうか?
保護者のみなさんの期待感を生徒に伝えるのは、けっこう難しいということがお分かりいただけたと思います。
③ こまめに具体的な声かけをすることによって、伴走する
本質的な答えは、ほめるか叱るかではなく、「信頼」を得ながら、正しく感情を伝えていくことにあります。「今日はいつもより頑張ったんじゃない?」みたいな声かけ一つでも、小さな観察によってのみ出てくる言葉です。
悪い点数を取ってきた場合も、「ここは頑張っていたところだから取れているよね、でも他のところがうまくいかなったのはなんでだろう?」と一緒に考えます。
もちろん、勉強の細かい状況分析は、保護者には難しく、塾などを頼るほかありません。素人的に判断行動することで遠回りになることもあるので、やはり第3者の見解は求めることが大切です。
保護者の方にある行動の1つには、お子様がこれが苦手だろうと思って、簡単な問題だけのワークを買い、それを渡したままにするというものがあります。ワークの問題レベルのこともありますが、これが良くないのは、お子様にできる問題と、できない問題をしっかり区別せず、丸投げにしてしまうということです。かえって効率が悪くなります。
伴走する、というのは勉強の管理という観点においては専門家にゆだねるところはゆだね、それ以外の生活習慣や精神面のサポートなどに徹するということです。そういった全体の必要を見極め、信頼を得るということがとても大切になります。
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