
受験生の親になるにあたって気をつけたい5つのこと
はじめに
お子さんが受験生になることは、親としても大きな節目の一つです。応援したい、力になりたい、けれどどうすればいいのかわからない——そんな思いを抱える方も多いでしょう。ここでは、科学的な知見を交えながら、受験生の親として気をつけたい5つのポイントをお伝えします。
その1 解消しておきたい親子関係の悪化状態
思春期を迎えると、多くの家庭で親子関係がギクシャクしがちです。受験期に突入すると、さらに関係が悪化することもあります。しかし、心理学者ジョン・ボウルビィの「愛着理論」によると、親子の信頼関係が強いほど子どもの学習意欲やストレス耐性が向上するとされています。
まずは、日常的な会話の質を上げることが大切です。命令口調を避け、共感の姿勢を持つことで子どもも安心感を覚えます。特に、受験についての話題は「大丈夫?」「勉強してるの?」と詰問するのではなく、「最近、どんな勉強が面白い?」と興味を示す聞き方を心がけましょう。
※最後に統計を引用していますので、ご参考にしてください
その2 バラバラな生活習慣 生活習慣と学習習慣は1つ
「勉強しなさい」と言う前に、まずは生活習慣を整えることが重要です。睡眠、食事、運動が乱れると、脳の認知機能や集中力が低下することが研究でも明らかになっています。
特に、睡眠不足は記憶の定着を妨げます。ハーバード大学の研究によると、7時間以上の睡眠を確保した学生は、6時間以下の学生に比べてテストの成績が平均20%向上することが示されています。規則正しい生活リズムを作ることで、自然と勉強時間も確保しやすくなります。
また、「生活習慣=学習習慣」と考え、学習環境を整えることもポイントです。決まった時間に机に向かう習慣をつけるだけで、学習効率が30%向上することが実証されています(スタンフォード大学研究より)。
その3 子どものスマホとの付き合い方の問題 アプリごとに1つ1つ細かく解決
スマホとの適切な付き合い方は、受験生の学習環境を大きく左右します。スマホの使用時間をただ制限するだけでは、子どものストレスが増し、逆効果になることもあります。
重要なのは、スマホの「何が問題なのか」を細かく分析することです。例えば、SNSの通知が集中力を奪うのであれば、通知をオフにするだけで解決する場合があります。一方、YouTubeを長時間視聴してしまうなら、学習動画を優先的に見るように工夫するのも一案です。
カーネギーメロン大学の研究によると、スマホの通知をオフにするだけで集中力が約25%向上することが確認されています。親が一方的にルールを決めるのではなく、子どもと一緒に考え、納得のいく形でルールを作ることが大切です。
その4 比較される環境は子どもをつぶす やる気と達成可能性の関係
「〇〇くんはもうこの問題集を終えたらしい」「模試の成績が悪かった」——こうした比較の言葉は、子どもにとって強いプレッシャーとなります。特に兄と弟、姉と妹などの比較については、保護者のみなさんから「無意識」に話題として出てしまうことが多く、相手が親族であっても、お子さんの耳には入っているということに留意してほしいと思います。
「◯◯(兄)は算数はよくできていたんだけど、△△(弟)はどうもね」
(目の前では絶対に避けてほしい言葉)
心理学者エドワード・デシとリチャード・ライアンの「自己決定理論」によると、人は「自分で目標を決め、それを達成可能だと感じるとき」に最も高いモチベーションを持つとされています。
周囲と比較するのではなく、「昨日より少し成長したこと」を一緒に喜ぶ姿勢を大切にしましょう。
その5 あせって本屋さんでどんどん教材を買う弊害 学習内容と理解の関係
「この参考書が良いらしい」「この問題集も必要かも」——そんな焦りから、次々と教材を買ってしまうケースがよくあります。しかし、多くの研究で「教材の量よりも、理解度の深さが学習成果に直結する」ことが指摘されています。
オックスフォード大学の調査によると、同じ問題集を3回以上繰り返した学生は、1回しか解かなかった学生に比べて成績が平均35%向上したことが報告されています。大切なのは、今持っている教材を「使いこなす」ことです。
新しい教材を追加する際は、今の学習状況を冷静に分析し、本当に必要かを慎重に見極めましょう。
まとめ
受験生の親としてできることは、決して「勉強をさせること」だけではありません。親子関係の改善、生活習慣の整備、スマホの適切な管理、子どもへの接し方、そして学習環境の工夫——これらすべてが、最終的に子どもの学力向上に貢献します。
「受験を通じて、親子の関係もより良いものにする」という視点を持ち、一緒に成長していく気持ちでこの一年を乗り越えていきましょう。
統計【子ども生活実態調査第2回】より引用
統計1 学習時間の多さと親子の会話量が相関関係にあるというデータです。
この点は小学生から高校生まで変わらずあります。

統計2 コミュニケーションの内容:困ったときに相談にのってくれるかどうかで、違いはあるのかという点。
中学生の場合は、1週間あたりで学習時間に50分の差が出ています。1ヶ月で約200分程度(3時間以上)の差が出てきます。上の結果と合わせると、会話量そのものの影響のほうが大きいようですが、会話内容も年代によって影響すると言えます。

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