人間には、認知バイアス(偏見)というものがあります。親が子どもを見るとき、必ず自分の経験というフィルターを通して評価しています。
たとえば、50点という答案を見たとします。もし親のほうは80点が当たり前だったとすると、「私のときは50点なんてありえなかった」と考えます。結論として、「この子は努力が足りないに違いない」という評価を与えます。
時に異なる評価もあります。もし子どもの数学点数が30点だったとして、親のほうも30点が当たり前だったとすると、「私も数学の成績が悪かったから、この子にも頭の良さがないのだ」と考えます。結論として、「この子の数学には限界があるけれど、最低限は頑張ってもらわないと」という評価を与えます。
さて、一つの資料を見てみましょう。学校の教科書ページ数の推移(歴史)です。
まず小学生は以下の通りです。
次は中学生です。
バイアス(偏見)は、あらゆる「前提条件」を切り取っているため、とても危険です。親世代でも、子ども世代においても、教育環境や学習内容のすべてがまったく同じようなものだ、という前提をもって評価を下しています。
ただ上記のようなデータ一つを見て、本当に同じだと言えるでしょうか?
こういったバイアスは、「塾の有無」についてもよく起こります。親は思います。
「私は塾になんて行かなくても大丈夫だったのに。この子は…」
「小学生から塾行くなんてどうなんだろう。私の時代はそんなことはなかった。」
兄弟姉妹バイアスもよくあります。
「お兄ちゃんは塾なんて行かなくてもできたのに。弟のほうは塾行かないとできない。」
本当にお子様に必要な教育環境やサポートは、わりと見えにくいものです。ただ言えることは、現状において何か問題があるとすれば、それは現状維持では解決できないということです。手遅れになる前に、お子様に必要な環境をぜひ探してあげてください。
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